打席の後ろには「レッスン中のやくそく」と書かれたホワイトボードがある。「4.たのしもう」という項目には「楽しくゴルフをすることが、上手くなる近道です!」というメッセージが示されていた。ゴルフに限らず、日本のスポーツ界には「とにかく球を打つこと」、「トラック1台分の球を打て」といった、武道的な教えが根づいているが?
「昔は『辛い練習をすると上手くなる』とか『2000球を打ち、体が痛くなるまでよくガンバりました』なんて言われましたが、いやいや、それでは子どもが体を壊すだけ。そういう“気合いと根性”を押し出した精神論のようなジュニアレッスンが、かつてありました。子どもたちは一人ひとり、みんな違うペースでゴルフをしています。かなり真剣にやる子もいれば、少し遊び感覚で取り組む子もいる。それでイイんです。子どもたちを横一線にしないで、それぞれの子にアジャストするように心がけています」(マイケルコーチ、以下同)
実際にレッスンのシーンを見ていると、マイケルコーチは子どもたちへ気さくに話しかけながら、アイテムを適切に使ってその子が上手く打つためのドリルを授けたりアドバイスを送る。子どもは上達すると楽しくなり、自ずと真剣に集中して球を打つ。そして、新たな課題が見つかるとマイケルコーチがレクチャーをして、再び夢中になって練習する。“楽しい”と“真剣”が共存しているのだ。「そんなやり方じゃダメだ」「なんでこうできないんだ」といった、日本にありがちな“粗探し”や“減点法”の指導ではない。
「日本でたまに見かけるのは、親が子どもを怒っていたり『もっとガンバりなさい!』と上から押さえつけるように教えていること。そういうシーンを見ると、あの子はゼッタイにゴルフが楽しくない、あと何年かしたらゴルフを辞めちゃう、というのがわかります」
→記事全文
(2022年02月27日 ALBA.NET)
